森博嗣「ZOKUDAM」
Zシリーズ第2弾。ZOKUの設定だけ使った別ストーリー。地味な悪の組織TAIGONと間の抜けた正義の組織ZOKUDAMが、いやに現実的に戦う?話。
え、どうしてどうして?
あんなに頼りない感じだったくせに、いったいどうしたの?
不思議、不思議のミステリィ。五里霧中、難問難解、自由自在、旺文社、模擬試験、頭の体操、大学への数学、Z会、人生相談、星占い、今日の運勢、愛と死を見つめて、曽根崎心中、北斗の拳、引田天功、武勇伝武勇伝。
そんな話。
前作は、どちらかというとTAI(GON)寄りで話が進んだ気がしますが、今回はZOKUDAMがメイン。設定もちまちま変わってますけど、元々そういうスタンスだし、気にする人はいないはず。ただ、個人的に庄内さんが出てこなかったのは、若干寂しい気がしなくもないです。
森博嗣にしては、なんともクセのない終わり方で、気持ちが良いといえば気持ちが良いけど、物足りないといえば物足りない気もします。読了感としては「銀河不動産」に近くて、これ以上続かないな、というのがひしひしと伝わる感じ。
ジャンルは、何だろう。ラストの爽やかさもあるし、森らしい啓蒙めいた部分もあって、一概にギャグとは括れない気もします。ハートフル・シュール・ギャグ・森ミステリィというのがあればいいんですけど、これでもまだ足りない気もする。エンタメです、とりあえず。
山田章博の挿絵がまた良いです。扉絵だけでなくて挿絵もあって、表紙も合わせて全部で11枚もありますし。贅沢。3章挿絵の野乃がエロい。
表紙は野乃ですかね。ZOKUDAMのアジトで、メイド服で、濃い化粧にイヤリング、茶髪でどうも中身に合ってないと思って、ちょっと訝しんでいます。ショートカットだからロミさんではないし(というか後ろにいるのがそうかな)、もしかしたらミッターマイヤ少尉じゃないかと、思ったりもしました。
- 作者: 森博嗣,山田章博
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/07/18
- メディア: 新書
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