森博嗣「工学部・水柿助教授の日常」
解説・筒井康隆。
わー解説筒井さんだー、と、わくわくしながら読んでいたんですが、読み進めていくうちにどんどん不安に。「この“森ミステリィ”に筒井さん怒るんじゃないかな・・・」
そう、完全なる森ミステリィ。森博嗣の若い頃の体験を、水柿君のものとして(些細な日常の謎を織り交ぜつつ)描いた、なんだろ、エッセイ?いや、森ミステリィ。説明するより一文読んでもらった方がいいでしょう。引用。
ガチャピンとかムックにも教えてやりたい。「君たちも若い頃があっただろう。忘れてしまったのか。それを思い出せ」と。(第四話より)
超脱力系です。ミステリではありません。ファンは大爆笑なのですが、森博嗣を知らない人はこの脱力小説をどう読むんだろう、とドキドキしながら読みました。筒井さんは「知的なユーモア」と書いてましたが、明らかにヒいてます。解説文がサバサバしてます。
森博嗣(水柿君)の大学生活が明らかになるので、ファンは必読。それから新大学生(自分ですけど)、何らかの理由で大学の舞台裏を詳しく知りたい方にもお勧め。入試の採点の話や、なんとカンニング論まで載っています。
手元にこの続編「逡巡」と、今日借りてきた綾辻行人の「霧越邸殺人事件」、有栖川有栖の「モロッコ水晶の謎」があるので、どれから読もうか迷うところ。モロッコを持ち歩いて、家で霧越邸を読むのが妥当かな。
今回改行を多くすると見やすくなるということを学びました(そうでもない?)。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/12/01
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 48回
- この商品を含むブログ (111件) を見る